プラモデルにリベットを表現するメリットと方法について

市販のプラモデルはそのまま組み立てるのも楽しいですが、独自の工夫を凝らすことでよりリアリティのある質感を表現することが出来ます。金属板に多く見られるリベットを表現するのもリアリティを出す方法の一つです。

プラスチックの製品に金属のような質感を出すのは難しいですが、成功したときの喜びはひとしおです。本物そっくりの質感を出すために、リベットの表現や金属の質感を出す方法を学びましょう。

金属製品に打ち込まれるリベットの性質とプラモデルにおける再現の問題

リベットは金属製品を固定させるために使う部品の一種です。ネジに似た形状ですが、ドライバーで固定させるのではなく、穴に通した後で頭部を潰すことで固定させます。一度使用すると基本的には外すことが出来ないので、対象物を永久的に固定させる目的で使われます。

同様の目的で行う溶接と比べて特殊な器具や設備が不要なのが大きな特徴です。火気が使用出来ない環境での使用や、溶接による金属の変質を避ける必要がある場合での使用に向いています。特に航空機や古い軍用車などに多用されたことから、プラモデルでもリベットの形状が再現されている製品は少なくありません。

その一方で縮尺されたプラモデルではリベットを正確に再現するのは難しい問題もあります。プラモデルは製品ごとに縮尺率が違いますが、日本で普及しているプラモデルの縮尺率は35分の1や48分の1、72分の1が多数を占めています。

それぞれ多少の違いはありますが、いずれもモデルになった航空機や軍用車などを忠実に再現した作りになっているのが特徴です。金属部品を固定させるリベットも再現されていますが、縮尺率の関係から数や質感は必ずしも正確ではありません。

一般的に縮尺率が小さくなるほどリベットの再現性は低くなり、小型の製品によっては全く再現されていない物もあります。これはモデルである航空機や軍用車のボディが小さくなることによって、外装のわずかな凹凸の再現が非常に困難になるためです。

プラモデルでリベットを表現する方法の違いについて

プラモデルは一般的に高額な物になるほど緻密に再現されています。安価な製品でも本物の特徴を正しく捉えた作りになっていますが、製造コストを抑える目的で一部の特徴が省略されていることも珍しくありません。特にリベットについては旧式の車両や航空機には必ずと言っていいほど使われている一方で、表現されていなくても質感を損なわないことから安価なプラモデルでは省略されているのが普通です。

しかし、リベットが表現されていればそれだけで金属製品としてのリアリティを持たせることが出来ます。リベットを上手に再現することで、安価なプラモデルでも高額な製品に匹敵するほどの質感を持たせることが可能です。

プラモデルでリベットを再現する方法は複数あるので、製品の縮尺率や自身の技術力で最適なものを選ぶのが満足出来る結果を得るための条件です。中でも塗装による再現はプラモデルへの直接的な加工は行わないので破損の心配が無いメリットがあります。

また、塗料の色合いで陰影や立体感を表現することにより、金属製品特有の質感を持たせることが可能です。塗装に慣れている人には最適な方法である一方、高度な技術力が求められることから初心者には不向きなのが欠点です。

予めリベットが表現されているプラスチック板やシールを貼る方法は最も時間がかからず、特殊な道具や技術も不要なのが利点です。対象部分に貼るだけで縮尺率に合った大きさのリベットを再現出来ますが、貼り付けたプラスチック板やシールの厚みや質感がプラモデル全体に影響する点を注意します。

リベットの再現を目的としたプラモデル本体への加工

金属製品の結合に使われるリベットをプラモデルで再現する方法の中でも、部品に直接的な加工を施すものは最もリアルな質感が出るのが大きな利点です。実際に凹凸が形成されるので、光の当たる角度によって陰影が生じ、本物の航空機や軍用車をそのまま縮めたような雰囲気を出すことが出来ます。

プラモデルの部品にリベットの質感を再現するには一定の間隔を保ちながら微小な穴を作るのが最適です。先が鋭く尖っている金属性の工具を軽く打ち込んで対象部分を凹ませるのが、部品の加工によるリベットの再現方法です。

また、電熱装置が内蔵されているヒートペンを使い、プラモデルの表面を高熱で溶かして小さい穴を作る方法もあります。プラモデル本体に直接的な加工を施すのはよりリアルな質感が表現出来る利点がある一方で、失敗したら取り返しがつかない危険があるのが欠点です。

筆塗りやシールの貼り付けは失敗しても再びやり直すことが出来ます。しかし、部品を凹ませたり溶解させる方法は失敗すると修正が出来ないことから、プラモデルの部品を加工する作業に慣れている人以外は避けるのが賢明です。

部品への加工は力の加減が難しく、強すぎると部品を壊してしまうおそれがあります。その反面、弱すぎてもリベットを綺麗に再現することが出来ないので、適切な力加減でリベットの質感を出すにはプラスチック板を使った練習の積み重ねが必要になります。

リベットを再現することでプラモデルに金属の質感を持たせることが出来る

リベットの形状をプラモデルに再現するのは単に本物の外観に合わせるだけではなく、金属特有の質感を表現する目的もあります。いくら本物の航空機や軍用車に似せていても、表面が何の凹凸も無い平坦な作りでは途端におもちゃっぽい感じになってしまいます。

リベットの潰れた丸みを作ることによって、軽量なプラスチックにも金属ならではの重みがある質感を持たせることが可能です。リベット部分に陰影やサビを表現することで、さらに本物に近い仕上がりにすることが出来ます。

プラスチックに金属の質感を持たせるには本物の航空機や軍用車のリベット部分がどうなっているかを正しく知り、その状態を再現する技術を持つことが重要になります。

(プラモデルのT-55を作る際のコツについて)

リベットを再現する際は部品の破損に注意する

プラモデルに自分の手でリベットを再現するのは手間がかかる難しい行為ですが、それだけにリアリティのある仕上がりになれば達成感は大きく、次のプラモデル作成の励みになります。しかし、リベットを再現する際は部品を誤って壊さないよう、丁寧に扱うことが大切です。

部品を凹ませたり穴を開ける作業は最も破損のリスクが大きいことから、失敗を避けるために少しずつ作業を進めることを心がけます。破損の心配が無い筆塗りでも塗りムラや乾燥による塗装面のひび割れなどの不具合を引き起こすので、塗り方や塗料の量には十分に気を配るのがリベットを綺麗に再現するコツです。